思わず身を反らし

「たまもさんにも解除不可能な呪いなんですよね? 容易に打開っておかしくありません?」
「やはりお主は阿呆じゃな!」
 たまもはギロリと俺を睨みながら、僅かに声を震わせそう言った改善失眠
 俺は自らふっかけておきながら、て後悔する。
「妾が無理じゃと申したのは、第三者として、という意味じゃ! 仮に今回呪いを受けたのが妾自身であったのなら、その場で即刻打破しておるわ!!」
「……えっと、それはどうやって?」
 怒りに火が付いたたまものプレッシャーに圧倒されながら恐る恐る訊ねる俺に、彼女は立ち上がってテーブル越しに詰め寄り言う。
「簡単じゃ、呪いに流れ込む霊力、まあ妾は妖じゃから妖力じゃがな、それのみを一時的に遮断し、その上で強引に打ち破ってしまえばよい。如何に難攻不落な術式とて動力が枯渇したら唯の計算式、机上の空論に過ぎぬ。そんな

呪い(もの)は爆薬のない爆弾が紙の鎖で括られているようなもの。どうにでも出来よう」
 たまもは更に俺の鼻先までその麗美な小顔で詰め寄って、
「で、お主にはそれが出来るのか? 局部的霊力の遮断! それが出来るなら、この問題は即刻解決、霊力の枯渇した呪いを妾が打ち破って終いじゃ。さあ、どうなのじゃ!微量元素?」
 眼前に迫る高圧的なたまもに俺が冷や汗混じりに「……すみませんでした」と謝ったのは言うまでもなかった。俺にはそうする為の知識も技術も備わってはいないし、その上意地悪い事を言ってしまった後悔があったわけだから

致し方ない。何より単純に恐かった。
 俺の謝罪を聞いたたまもは、ふんっと鼻息を漏らすと、
「じゃろうな。それが出来るのならば、そもそも妾に縋りつく必要も無いのだからな。ってか何でそんな無知なのに、お主は費用対効果の頗る悪いカウンター型の呪いで生命の危機に陥るほど強大な霊力を持っておるんじゃ、まっ

たく……」
 そう態とらしく愚痴を溢しながら俺の眼前より離れると再び椅子に腰かけた。
「まあ、そんな訳だから如何に偉大な妾の力をもってしても、その呪いを即刻安全に解くのは難しいというわけじゃ。因みに訊かれる前に答えておくが、現状でもその呪い、妾なら無理矢理打ち破る事は可能じゃ。もっともその場

合、術式崩壊で生じる影響でお主がどうなるかは知らぬがな」
「術式崩壊の影響……ですか……」
「うむ、先程も申した通り、呪いは繊細な力の均衡で成り立っているからの。強引に剥がすなんて無茶をしたら間違いなく均衡は崩れ力が暴走する。お主の膨大な霊力を吸ったお主を三日で死に至らしめる程の力の暴走じゃ、ただ

では済むまい精子健康。じゃからそうならんように霊力の局部減少をして、例え力の暴走が起こっても問題にならんようにする必要がある訳じゃしな」
 如何に阿呆と罵倒された俺であっても、流石にここまで言われれば現状打つ手無しだと理解出来る。だが、ほんの少し怖いもの見たさというか、一種の好奇心から一応たまもに訊いてみた。
「……仮に今……霊力の減少無し(この状態)で剥がしたら……どうなりますかね?……個人的見解でいいので教えてくれませんか?……」

< 2025年04月 >
S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
カテゴリ
最近のコメント
QRコード
QRCODE
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
暖かい陽の冬